8月3日(金)
【選択】 「国語」教材への視点
[選択領域:「受講者が任意に選択して受講する領域」(6時間)]
講習の概要
教科書に採択されている国語教材については、作品の一部に留まっていることが多い。本講習では、教材をめぐって、新知見からなる読解の方法の提示や日本語教育との対照など、国語教育に関わる問題を示し、新たな教授法を考える一助とする。
平30-20084-506592号 6時間 主な対象者:高等学校及び中学校の国語教諭
時間 | 授業名 | 講習担当 | 内容 |
午前の部 1限 9:00〜10:30 (90分) 2限 10:45〜12:15 (90分) |
言語の構造と古典読解 |
坂本 浩一 (国際文理 学部教授) |
古典文を読み解く上でポイントとなる言語の統合的構造(文法的構造)と連合的構造(語彙的構造)を十分に把握し活用した読解法、教授法について講義します。教科書にもよく取りあげられる『竹取物語』等の物語類や勅撰和歌集などの古典資料を主要題材として、古典語と近代語の統合的構造の変遷を視野に入れた教材研究の実例や、連合的構造に着目した教材活用法のヒントなどを交えて示します。 ※講習内容に関する理解確認のための記述試験を時間内にて実施します。 |
3限 13:30〜15:00 (90分)
4限 15:15〜16:45 (90分) |
日本語教育の文法と 国語教育の文法 |
橋本 直幸 (国際文理 学部准教授) |
日本語を母語としない学習者を対象とする「日本語教育」と、学校教育における「国語教育」とでは、何がどのように違うのか。活用や品詞の分類など文法項目に焦点を当て、日本語教育で教えられる文法と国語教育で教えられる文法との違いやその問題点について考えます。また、日本の学校に在籍する外国籍児童・生徒の日本語習得、日本語教育の問題についても触れる予定です。 |
各講習時間内に履修認定試験を実施し、60点以上を合格とする。 準備物:筆記用具
8月4日(土)
【選択】 「国語」教材の講読T
[選択領域:「受講者が任意に選択して受講する領域」(6時間)]
講習の概要
古典(古文・漢文)に関して、原典を専門的に読み解いていくことにより、「国語」教材に対する読解力と指導力の更なる向上を目指す。基本的にはひとつの作品を丹念に講読していくことによって、活発な意見交換がはかれるようにする。
平30-20084-506593号 6時間 主な対象者:高等学校及び中学校の国語教諭
時間 | 授業名 | 講習担当 | 内容 |
1限 9:00〜10:30 (90分)
2限 10:45〜12:15 (90分) |
読む |
月野 文子
(国際文理 学部教授) |
近年は日本漢詩も教科書に載るようになりましたが、大学の漢文の授業ではなかなか取り上げられる機会はないようです。 ※講習内容に関する理解確認のための記述試験を時間内にて実施します。 |
3限 13:30〜15:00 (90分)
4限 15:15〜16:45 (90分) |
枕草子を読む |
(福岡教育大学准教授)
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教科書では定番中の定番となった、清少納言の『枕草子』を読んでいきます。
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各講習時間内に履修認定試験を実施し、60点以上を合格とする。 準備物:筆記用具
8月6日(月)
【選択】 「国語」教材の講読U
[選択領域:「受講者が任意に選択して受講する領域」(6時間)]
講習の概要
古典を中心に、原典を専門的に読み解いていくことにより、「国語」教材に対する読解力と指導力の更なる向上を目指す。基本的にはひとつの作品を丹念に講読していくことによって、活発な意見交換がはかれるようにする。
平30-20084-506594号 6時間 主な対象者:高等学校及び中学校の国語教諭
時間 | 授業名 |
講習担当 |
内容
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1限 9:00〜10:30 (90分)
2限 10:45〜12:15 (90分) |
近代文学の身体性 |
坂口 周 (国際文理学部准教授) |
本講義は、近代文学における「散歩」の意味を問います。「気散じ(distraction)」の方法として無目的に「歩くこと」は、ようやく明治以降に西洋より輸入された近代知識人の風習の一つですが、新しい近代小説の形態を決定するほどの役割を担っていた面がありました。近代特有の身体・運動に関わるテーマを通じて、教材としての使用も多い大正期短編小説を支えていた一つの思想を考察してみます(2限目は特に志賀直哉「城の崎にて」を例に取り上げる予定ですので、事前に読んできて頂けると助かります)。 ※講習内容に関する理解確認のための記述試験を時間内にて実施します。 |
3限 13:30〜15:00 (90分) |
連句的発想の文体 ─細部にやどる古文のレトリック─ |
大久保 順子 (国際文理 学部教授) |
古文教材でおなじみの芭蕉・蕪村・一茶などの「俳句」や俳文的な文章を読解するには、書かれた文章の表層を直接要約するのではなく、古典文学全般のイメージと江戸時代的な「俳諧」の感覚の共有を必要とします。本講座では、芭蕉や西鶴の作品にみる「俳」の発想や「連想する」文体のそれぞれの特徴を追いながら、その細部と余韻の読み方について考えます。古語辞典などをご持参いただいて結構です。
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4限 15:15〜16:45 (90分) |
各講習時間内に履修認定試験を実施し、60点以上を合格とする。 準備物:筆記用具
8月7日(火)
【選択】 境界を超える「文学」・「歴史」・「ことば」
[選択領域:「受講者が任意に選択して受講する領域」(6時間)]
講習の概要
日本の文学及び歴史、また日本語学をめぐる最近の研究動向を踏まえつつ、文学的・歴史学的・語学的な諸問題を講じていく。学際的な手法を取り入れることによって、「国語」教材の研究にも有益となる新たな視点を取り込む。
平30-20084-506595号 6時間 高等学校及び中学校の国語教諭向け
時間 | 授業名 | 講習担当 | 内容 |
1限 9:00〜10:30 (90分)
2限 10:45〜12:15 (90分) |
中世の思想と他界観 |
渡邉 俊 (国際文理 学部准教授) |
「平家物語」や「太平記」などの古典作品がもつ世界観を理解するためには、その作品の背景にある当時の人々の思想や他界観に関する知識が必要となります。 ※講習内容に関する理解確認のための記述試験を時間内にて実施します。
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3限 13:30〜15:00 (90分)
4限 15:15〜16:45 (90分) |
現代語と古典語と方言での「やり・もらい」動詞 |
(福岡教育大学准教授) |
前半は,現代語の日本語の「やり・もらい」(やる・くれる・もらう)動詞が世界の言語の中でも特殊な文法を持ち,一人称寄りの視点の問題と連動していることを解説し,その後で古典語と方言の「やり・もらい」動詞の仕組みを見ていきます。また後半は,「やり・もらい」の敬語動詞の中で,古典語の謙譲語「奉り給ふ」をめぐる問題について,琉球の方言に酷似する現象が見られることを説明し,古典語と琉球の方言とを比較することで,新しい解釈が生じる可能性を示します。 ※講習内容に関する理解確認のための記述試験を時間内にて実施します。 |
各講習時間内に履修認定試験を実施し、60点以上を合格とする。 準備物:筆記用具
国文学科TOP 大学HP「 更新講習について 」 参照: 平成29年度 福岡女子大学(国語)教員免許更新講習内容