平成23年度 福岡女子大学(中高教諭 国語)免許更新講習内容

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8月22日(月)

境界を超える「ことば」と「文学」

 講習内容

  日本の文学をめぐる最近の研究動向を踏まえつつ、文学的・語学的な諸問題を講じていく。学際的な手法を取り入れることによって、「国語」教材の研究にも有益となる新たな視点を取り込む。(毎回70分)

 

     時間   授業名  講習担当    内容

午前の部

 1限

 9:00〜10:10

 

 

「もの」と「こころ」と和歌

 

 今井 明

 「物」と「心」から見る和歌表現。ここでは、古典和歌の結句表現に着目して、どのような「物」が和歌の「心」を形づくっているかを考えてみたいと思います。具体的には「〜ものにぞありける」や「〜ここちこそすれ」などの結句に接続する上四句のバリエーションを確かめ、そこに現れる「物」が「心」と結びつき、「文学」への道筋をたどる過程を追っていきます。こうした視点から、日本文学の伝統的な表現世界を垣間見ることができれば、と目論んでおります。

 2限

1020:〜11:30

 

言語の構造と古典読解

 

坂本 浩一

 古典文を読み解く上でポイントとなる言語の統合的構造(文法的構造)と連合的構造(語彙的構造)を十分に把握し活用した読解法、教授法について講義します。教科書にもよく取りあげられる『竹取物語』等の物語類や勅撰和歌集などの古典資料を主要題材として、古典語と近代語の統合的構造の変遷を視野に入れた教材研究の実例や、連合的構造に着目した教材活用法のヒントなどを交えて示します。

 3限

11:40〜12:20

 

 午前の部 筆記試験

 

(坂本)

 

午後の部

 1限

13:20〜14:30

 

 

  日本語を見直す

 

 

 矢野 準

基本に立ち返って、言葉のおもしろさを見直したいと思います。言語のはたらきをはじめ種々の現象について、日本語に関して、先行研究などをもとに、新しい見方・考え方も紹介します。140分ありますので、前半で現代語に関わる問題を、後半で歴史に関わる問題を扱うことができればと考えています。例えば、次のようなものです。
例 前半:@言葉遊びはなぜ可能か A日本語のユレあれこれ など

  後半:@日本語の清濁とはどのようなものか A係り結びのはたらきとは何か など

 

 2限

14:40〜15:50

 3限

16:00〜16:40

 午後の部 筆記試験

(坂本)

 

 

8月23日(火)

「国語」教材への視点

 講習内容

  教科書に採択されている国語教材については、作品の一部に留まっていることが多い。本講習では、教材をめぐって、新知見からなる読解の方法の提示、テキストの書誌的解説や日本語教育との対照など、国語教育に関わる問題を示し、新たな教授法を考える一助とする。(毎回70分)

     時間      

  授業名

 講習担当

   内容

     

午前の部

 1限

 9:00〜10:10

 

 


「訓読」とは何か 

 

月野 文子

 教科書に載ることが多い漢籍(論語・桃花源記など)を例として取り上げ、訓点の問題も含めて〈訓読〉という漢文読解の本質的な問題に迫ります。
 いわゆる文法事項の説明とは異なる展開になると思います。

 2限

1020:〜11:30

 

日本語教育の文法と国語教育の文法

 

橋本 直幸

   ことばの「産出」をその主な目的とする日本語教育と、「理解」に重点を置く国語教育とでは、何がどのように違うのか。活用や品詞の分類など文法項目に焦点を当て、日本語教育で教えられる文法と国語教育で教えられる文法との違いやその問題点を考えます。また、近年、日本語教育の分野で多くの試みがある文法の学習項目の見直しについても紹介し、学習者にとって本当に必要な文法教育とは何かを考えます。

 3限

11:40〜12:20

 

 午前の部 筆記試験

 

(坂本)

 

午後の部

 1限

13:20〜14:30

 連句的発想の文体

 ─細部にやどる古文のレトリック─

大久保順子

 古文教材でおなじみの芭蕉・蕪村・一茶の「俳句」や、俳文的な文章を扱う場合、書かれた文章の表層を直接要約するだけでは読解できず、その理解には江戸時代的「俳諧」の感覚の共有を必要とします。本時では、芭蕉や西鶴の作品にみる「俳」の発想や文体の特徴を追いながら、細部と余韻の読み方について考えます。
 

 2限

14:40〜15:50

近代(現代)作品の

内在律と相互連関性について T

石井 和夫

 夏目漱石「こゝろ」、芥川龍之介「羅生門」、中島敦「山月記」など、教科書に採択されやすい定番というべき作品に焦点を合わせながら、それぞれの作品の読解上の問題点をあらためて問い直します。と同時にここにあげた三者の連関性に言及しながら、そこに一貫する問題を提起します。

 3限

16:00〜16:40

 午後の部 筆記試験

(坂本)

 

 

8月24日(水

「国語」教材の購読T

 講習内容

古典および現代文に関して、原典を専門的に読み解いていくことにより、「国語」教材に対する読解力と指導力の更なる向上を目指す。基本的にはひとつの作品を丹念に講読していくことによって、活発な意見交換がはかれるようにする。(毎回70分)

     時間   授業名  講習担当    内容

午前の部

 1限

 9:00〜10:10

 

『平家物語』の「かたり」

 

 今井 明

  「平家物語」は、生徒にも人気のある古典作品です。『徒然草』226段が伝える「平家物語」成立に関する逸話をヒントに、「平家物語」の物語としての特徴や、その成立の背景について読み解いてみようと思います。教科書では、抒情的な文体の「覚一本」系統の本文で物語を鑑賞することが多いけれども、読み本系統の「延慶本」などと比較しながら、「平家物語」の創作の機微にも触れられたらと思っています。
  

 2限

10:20〜11:30

 3限

11:40〜12:20

 

 午前の部 筆記試験

 

(坂本)

 

午後の部

 1限

13:20〜14:30

 

 源氏物語の女性たちをめぐる構想と描写

 

工藤 重矩

  『源氏物語』薄雲巻には、幼い娘を紫の上に譲るよう求められた明石の君の苦悩が描かれています。当時の結婚制度や妻としての立場の違いによる所生の子の社会的待遇の差の実態を明らかにしつつ、明石の君の苦悩を読み取ります。併せて、紫の上を始め『言辞物語』に登場する女性達の構想上の役割、その役割ゆえの性格描写があることを述べ、点としての源氏物語教材を線として理解する視点を提示したいと思っています。
 

 2限

14:40〜15:50

 3限

16:00〜16:40

 午後の部 筆記試験

(坂本)

 

 

8月25日(木

「国語」教材の購読U

 講習内容

古典および現代文に関して、原典を専門的に読み解いていくことにより、「国語」教材に対する読解力と指導力の更なる向上を目指す。基本的にはひとつの作品を丹念に講読していくことによって、活発な意見交換がはかれるようにする。(毎回70分)

     時間   授業名  講習担当    内容

午前の部

 1限

 9:00〜10:10

 

 日本の漢詩を読む

 

月野 文子

 近年は日本漢詩も教科書に載るようになりましたが、大学の漢文の授業ではなかなか取り上げられる機会はないようです。
 そこで、本講座では江戸時代の漢詩を少しまとまったかたちで読むことによって、江戸時代の詩人たちの作詩活動のイメージをつかむことができるよう工夫したいと思っています。また、〈推敲〉の方法についても考えてみます。
  

 2限

10:20〜11:30

 3限

11:40〜12:20

 

 午前の部 筆記試験

 

(坂本)

 

午後の部

 1限

13:20〜14:30

 

 近代(現代)作品の

 内在律と相互連関性について U

 

石井 和夫

 夏目漱石「こゝろ」、芥川龍之介「羅生門」、中島敦「山月記」など、教科書に採択されやすい定番というべき作品に焦点を合わせながら、それぞれの作品の読解上の問題点をあらためて問い直します。と同時にここにあげた三者の連関性に言及しながら、そこに一貫する問題を提起します。
 

 2限

14:40〜15:50

 3限

16:00〜16:40

 午後の部 筆記試験

(坂本)

 

 

 

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