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2017.07.05授業報告

モジュール1 最終日(Day5)「リーダーシップ概論」の対面授業が終わりました。

【イノベーション創出力を持った女性リーダー育成プログラム】
モジュール1最終日「リーダーシップ概論」の対面授業が7月1日(土)に行われました。


最初の演習は「マシュマロチャレンジ」
パスタ20本、90センチの紐とテープを使って、マシュマロを頂点としたタワーを18分間で作ります。
設計図を詳細に作るチーム、ざっくりと方針を決めて作り始め、修正を加えていくチーム、全員が意見を出し合うチームなど、さまざまです。


※NO.1の高さは67cmでした。

この演習は、高い塔を作ることだけが目的ではありません。プロセスを管理するリーダーがいること、時間管理、方針や目標を設定すること、固定概念を捨てること、最初に立てた目標に固執せず、変化に合わせて動くことなど、チーム作りに関するさまざまな示唆を得ることができます。短い演習の中から、チーム作り、リーダーシップについてたくさんの学びを得ました。

その後、チームビルディング、リーダーシップについての講義。
グループとは人が集まった状態、その状態から意識や行動レベルを合わせて「チーム」になっていきます。また、チームメンバー一人ひとりの能力の総和よりも、チーム全体の力の方が大きくなる(組織の能力>個人の能力の総和)、それがチーム力でもあります。



 リーダーシップは形あるものではありません。
リーダーの基本要素として、ウォレン・ベニスは「リーダーになる」の中で
・指針となるビジョン
・情熱
・誠実さ
・信頼
・好奇心と勇気
を挙げています。
一人ですべてを持つことは難しいかもしれませんが、これらの能力を持つ人を集めて、フォロワーとして協力することもまた、リーダーシップの発揮スタイルでもあります。

また、事前課題として増田弥生著「リーダーは自然体」を読んでいただきましたが、この本にもあるように、ぐいぐいと引っ張っていく統率型のリーダーシップだけではなく、自然体にチームメンバーの力を引き出し、メンバーが自立的に機能するよう働きかけるや、支援型のリーダーシップスタイルなど、リーダーシップの発揮方法はさまざまです。



リーダーシップを発揮する第一歩は、自分自身を知ることでもあります。
「ジョハリの窓」モデルを例に、自分が思う自分と他者が思う自分は違うということ。自分を開示し、まだ自分自身でも気づいていないことを他者からのフィードバックによって広げていくことでよりコミュニケーションが円滑になると言われています。私たちはすべての物事を自分の独自の視点で枠を決めて見る傾向があります。この枠をずらすことで、受け止め方や感じ方が変わってきます。これを「リフレーミング」と言います。



続けて、講師の平山先生から「Vulnerability(ヴォーナビリティ)」という考え方をご紹介いただきました。
「Vulnerability(ヴォーナビリティ)」とは、もろさや傷つく可能性のある状態のことであり、自分が認めたくない自分自身の弱さを認めることで、自己肯定感が高まり、よりリーダーシップを発揮できるようになるのです。自己開示することは、つらく厳しいことも時にはありますが、自己開示をすることによって、共感してもらえる。共感してもらえること、助けてもらえることも、リーダーとしての在り方に必要な要素かもしれません。



「Vulnerability(ヴォーナビリティ)」とは自分の弱さを受け入れることでもあります。自分の弱さを受け入れることで、一歩踏み出すことができます。その一歩を踏み出すために必要なことが、「共感」です。弱いのはあなただけではない、という共感のメッセージがリーダーを支えるフォロワーとなり、チームをつくっていくのです。

午後からは、修了生をゲストに迎え、リーダーズインテグレーションというセッションを実施しました。
リーダーズインテグレーションは、通常は新しく着任したリーダーなどを対象に、リーダーとチームの心理的な距離を縮める、チームづくりの技法です。
今回は、修了生3名のリーダー体験、チーム体験、学び直しの体験を聞き、質問や気づきを洗い出し、その質問に答えてもらうことで、互いの理解や学びを深めていきました。



・これまでの仕事は一人でやり遂げることが多かったが、学び直しプログラムでチームで取り組む楽しさや厚みを知ったので、職場でもみんなで決める、迷ったら集まって話し合うスタイルを取り入れた。
・小さなチームを作り、業務はチームリーダーに任せる。自分は、チームで取り組むときにひとつになれるような場をつくるようにしている。
・学んだ手法をそのまま会社に取り入れても抵抗されるので、自社に合ったテーマや、楽しさを演出するなどして、受け入れてもらいうやすくした。
などの、実践事例からはたくさんの気づきと、今後、職場や地域などで実践していくときの大きな糧、力になりました。




最後は、修了生も交えてのワールドカフェ。ワールドカフェはカフェのようなリラックスした雰囲気で対話する手法です。
 「私たちがもう一歩先に踏み出せるようになるためにはどうしたらいいでしょうか?」をテーマに3ラウンドのワールドカフェを行いました。
※ワールドカフェの進め方
ラウンド1 4~5人のグループでテーマに沿って対話する 否定はしない 結論は求めない 気づいたことなどは手元の模造紙に落書きで残す
ラウンド2 1人(ホスト)を残して、ほかのテーブルに移動する ホストは後から来た人にそれまでにどんな話がされていたのかを説明し、その後はテーマに沿ってさらに対話をしていきます。
ラウンド3 元のテーブル(グループ)に戻って、ほかのテーブルでどのような話がなされていたのかを共有、テーマに沿って対話をします。
1つのラウンドは15分~20分程度



ワールドカフェ演習の最後は「ハーベスト」。ワールドカフェでは結論は求めませんが、そこでどんな対話がなされて、どんなことを参加者が気付き、持ち帰り、意味を深めるかが重要になります。今回は、各自での気付きや印象に残ったことを付箋に書き出し、持ち帰りました。



ワークショップデザインから始まったモジュール1もこれで終了です。



様々な演習を通じて、安心・安全な場づくり、よい問い、自分自身のリーダー(あるいはフォロワー)としての在り方などを学びました。
これらは、確実な答えのある学びではないので、もやもや、探索はまだまだ続くかもしれません。その探索こそが、リーダーシップの旅、なのかもしれません。質問や疑問点などあれば、遠慮なくどうぞ。

モジュール2も引き続き、学びの旅を楽しみましょう!

★※授業を「可視化」に!!
講師岸先生より、今日の授業の内容を「可視化」に、まとめて頂きました。


<お問い合わせ>
福岡女子大学 地域連携センター 女性学び直し担当
manabi@fwu.ac.jp
092-692-3198