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シロイヌナズナの耐凍性に関与する新規遺伝子の検索

シロイヌナズナを始め温帯起源の植物は、前もって凍結しない程度の低温に一定期間さらされると、その後の凍結に対して耐性を持つようになります。この現象は「低温馴化」とよばれ、この期間に発現する遺伝子(=耐凍性関与遺伝子)の発現がその鍵となると考えられています。本研究室では、アクティベーション・タグラインを用いて、耐凍性に関与している新規遺伝子を検索しています。


図1 アクティベーション・タグライン作製・選抜の方法

強力なエンハンサーを組み込んだアクティベーション・タグラインを -14 ℃、 3 時間凍結し、耐凍性の向上したタグラインを選抜しました(図1)。その結果、 47 ラインが生き残り、そのうち 34 ラインについてエンハンサー(を含む T-DNA )の挿入場所を同定しました(図2)。


図2 挿入されたT-DNAの位置

アクティベーション・タグラインでは挿入されたエンハンサーの近傍にある遺伝子の転写が活性化されることにより、形質の変化が起こると考えられます。そこで、エンハンサーの近傍にある遺伝子に注目して研究を進めています。現在、 PAP (Plastid-lipid associated protein) 遺伝子を耐凍性関与遺伝子の候補として挙げ、その機能について詳しく調べています。

Otsubo, M., Inoue, S., Tasaka, Y., Saito, A., Yasuno, R., Ikoma, C., Nagahata, Y., Tamura, N.   and Wada, H., Isolation of Freezing-Tolerant Mutants of Arabidopsis thaliana by Activation   Tagging., Cryobiol. and Cryotech. , 53: 75-85 (2007)

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