植物における細胞膜ナノドメインの機能と形成機構
細胞膜の脂質構成は均一ではなく、細胞膜上には「ナノドメイン」とよばれる微小な脂質領域が点在しています。中でも私たちは、スフィンゴ脂質とステロールに富むナノドメインに注目しています。このナノドメインは多くの細胞膜タンパク質の相互作用や活性化の足場となります。そのため、様々な細胞・生理機能に関わり、植物の生育や環境ストレス耐性にも重要であると考えられます。これまでに私たちは、ナノドメインが減少した形質転換体を用いた解析やナノドメインの蛍光イメージングに加え、分子動力学シミュレーションなど異分野とも融合することにより、植物免疫におけるナノドメインの重要性を明らかにしました(Nagano et al., Plant Cell, 2016; Ukawa et al., Plant Physiol., 2022)。植物におけるナノドメインの機能や形成機構の解明を目指して研究に取り組んでいます。
植物スフィンゴ脂質やスフィンゴ脂質由来分子の機能
スフィンゴ脂質は細胞膜など生体膜を構成する脂質です。植物の脂質全体からみると、それほど量は多くないにもかかわらず、植物の生育や環境ストレス耐性において重要な役割を担うことが明らかになっています。私たちは更なるスフィンゴ脂質の未知機能を明らかにするために、モデル植物であるシロイヌナズナやゼニゴケを用いて、研究しています。また、スフィンゴ脂質の分解によって生じる分子の機能解明にも取り組んでいます。
