2018.04.27

池の中にワニ!?

インド東部ベンガル湾に面する沿岸域にラムサール登録湿地のビタコニカがあります。ビタコニカは、世界最大級の広大なマングローブ生態系で、イリエワニをはじめインドでも有数の生物多様性を誇ります。しかし、過去にはマングローブ伐採や乱獲を含む人為的な影響によって多くの動植物種が失われ、インド政府は面積672km2のうちコアエリアの145km2を国立公園に指定しました。また、政府は絶滅が危惧視されているイリエワニの保護・飼育を行い、定期的に野生復帰する取り組みが行われ、イリエワニの生息数は年々増え続けています。他方、国立公園を含む周辺には多くの住民が生活を構えており、彼らにとってイリエワニは人の命や作物を荒らす厄介者として捉えられています。イリエワニは、グローバルな視点から見れば貴重な野生動物ですが、コミュニティの視点から見れば人の生命や生業を危ぶむ存在です。グローカルな視点で自然共生社会を構築するための方途を検討することが求められます。

コミュニティポンドの中に幼生のワニがいると村住民が説明している様子。

コミュニティポンドの中に幼生のワニがいると村住民が説明している様子。