教授
吉村 利夫
ヨシムラ トシオ
略歴
1985年 京都大学工学部高分子化学科卒業
1987年 京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻修士課程修了
1987年 東レ株式会社入社
高分子研究所および電子情報材料研究所に勤務
2002年 福岡女子大学 人間環境学部 助教授
2006年 福岡女子大学 人間環境学部 教授
2009年 米国バージニア工科大学 訪問研究員
2011年 福岡女子大学 国際文理学部 教授 (改組)
取得学位
博士(工学)
研究テーマ
環境調和型高分子材料の創製
研究概要
新規な環境調和型高分子材料を創製することによって、21世紀のテーマである「環境との共生」、「持続可能な社会の形成」に貢献したいと願っている。現在は、紙おむつなどに使われている高吸水性樹脂に着目し、天然物を原料にして、生分解性を有するものを創製する研究を行っている。一例として、衣類などに用いられている綿を原料にして高吸水性樹脂を合成する検討を行ったところ、現行の高吸水性樹脂に匹敵する吸水性能を有するものを得ることができた。また、化学変性を加えているにもかかわらず、原料の綿と同等の良好な生分解性を有することが判った。他に、博多湾に発生するアオサを原料とした各種生活関連材料の創製に関する研究も行っている。
主要研究業績等
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吉村利夫(2024)
使用済み紙おむつのリサイクル
プラスチックリサイクル、第2章 各製品のリサイクル技術と評価/品質改善/課題対応 第6節 製品別プラスチックのリサイクル技術および検討 第9項, 情報機構
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YOSHIMURA, Toshio, and YASUTAKE, Haruka(2024)
Preparation and Characterization of Green Composites Based on Shells and Poly(lactic acid)
Bulletin of the International College of Arts and Sciences and Graduate School of Health and Environmental Sciences, 55, 1-4
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吉村利夫(2024)
生分解性高吸水性樹脂
高分子材料の分解制御技術、第Ⅲ編 環境負荷低減を志向した分解制御技術、第8章、シーエムシー出版
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吉村利夫(2023)
生分解性を有する高吸水性樹脂の創製と紙おむつへの適用
環境配慮材料、AndTech
-
YOSHIMURA, Toshio,AKITSUKI, Mutsumi, FUJIOKA, Rumiko(2023)
Preparation of Cellulose Derivatives in Alkaline Urea Aqueous Solvents
Bulletin of the International College of Arts and Sciences and Graduate School of Health and Environmental Sciences, 54, 13-16
-
吉村利夫(2022)
生分解性を有する高吸水性樹脂の開発
WEB Journal、2022年9月号、20-24
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吉村利夫、藤岡留美子(2022)
環境に配慮した紙おむつの開発動向
廃棄物資源循環学会誌、33(4)、286-291
-
Toshio Yoshimura, Yuzu Kitagawa, and Rumiko Fujioka(2022)
Attempted Synthesis of Superabsorbent Hydrogels from Chitin and Citric Anhydride
Bulletin of Faculty of Human Environmental Science, Fukuoka Women's University, 53, 15-18
学会発表
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東田彩佳、吉村利夫(2023)
スルホエチルセルロース系ダブルネットワークゲルの合成と性質
第60回化学関連支部合同九州大会、福岡
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吉村利夫(2023)
生分解性を有する高吸水性樹脂の創製と紙おむつへの適用
AndTech Zoomを使ったライブ配信セミナー
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東田彩佳、藤岡留美子、吉村利夫(2022)
スルホエチルセルロース系ダブルネットワークゲルの合成と性質
第59回化学関連支部合同九州大会、福岡
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吉村利夫(2021)
高吸水性樹脂の基礎と応用、および生分解性付与
シーエムシーリサーチ Zoomを使ったライブ配信セミナー
関連専門分野
・高分子化学
・機能性高分子材料学
・繊維材料学
所属学会
・高分子学会(九州支部理事)
・繊維学会(西部支部長)
・セルロース学会(評議員、西部支部委員)
・American Chemical Society
・日本化学会
・日本家政学会
外部資金の獲得状況
・科学研究費助成事業 基盤研究C(代表) 2024年度~2026年度「使用済み紙おむつ中のパルプと高吸水性樹脂を効率的に分別するための基礎研究」
・奨学寄付金 トータルケア・システム株式会社 (代表) 2019年度「使用済み紙おむつリサイクルに関する研究」
・戦略的基盤技術高度化支援事業(経済産業省)(分担) 2016~2018年度「おむつ焼却量の削減および処理料金低減を目的とした、紙おむつ由来プラスチックの脱塩素処理技術等による、紙おむつの完結型マテリアルリサイクルプラントシステムの開発」
・平成30年度福岡県リサイクル総合研究事業化センター研究会(分担)「紙おむつの再生吸水ポリマーを利用した吸水性土のうの開発」
・大牟田市ものづくり企業技術開発支援助成(分担) 2017年度「廃SAPの輸送コスト削減を目的としたSAP脱水処理反応の効率化とSAP除去装置の多段化による廃SAPの減容」
・平成29年度福岡県リサイクル総合研究事業化センター研究会(分担)「紙おむつの再生吸水ポリマーを利用した吸水性土のうの開発」
・大牟田市ものづくり企業技術開発支援助成(分担) 2016年度「紙おむつリサイクルの普及を目的とした、再生SAPに含まれる繊維の回収と、回収した繊維の最適な再利用方法の確立による処理コストの削減」
・科学研究費助成事業 基盤研究C(代表) 2013年度~2015年度「使用済み紙おむつから高分子吸収材を回収・再生するための基礎研究」
・奨学寄付金 株式会社ダイセル(代表) 2015年度「セルロース系素材の吸水材への展開」
・受託研究費 トータルケア・システム株式会社(代表) 2015年度「紙おむつリサイクルシステムの構築に関する研究」
・奨学寄付金 株式会社ダイセル(代表) 2014年度「セルロース系素材の吸水材への展開」
・受託研究費 トータルケア・システム株式会社(代表) 2014年度「紙おむつリサイクルシステムの構築に関する研究」
・奨学寄付金 株式会社ダイセル(代表) 2013年度「セルロース等の多糖類からの高吸水性材料等の機能性材料創生」
・福岡市事業系ごみ資源化技術実証研究等支援事業(トータルケアシステム株式会社と共同申請) 2013年度~2015年度「使用済み紙おむつリサイクルシステムの事業化に向けた廃SAPの最適な再利用による採算性の向上」
・科学研究費助成事業 基盤研究C(代表) 2010年度~2012年度 「吸水部分を水洗トイレに流せる紙おむつ実現のための基礎研究」
・奨学寄付金 株式会社ダイセル(代表) 2012年度「セルロース等の多糖類からの高吸水性材料等の機能性材料創生」
・奨学寄付金 富士メンテニール株式会社(代表) 2012年度「トウモロコシデンプン系材料の生分解性評価」
・奨学寄付金 ダイセル化学工業(代表) 2011年度「セルロース等の多糖類から高吸水性樹脂等の機能性材料創生」
・国公私立大コンソーシアム・福岡 平成22年度研究助成事業(代表) 2010年度「博多湾・和白干潟に大量発生するアオサを用いた環境適合型機能材料の創製」
・福岡女子大学平成22年度研究奨励交付金(分担) 2010年度「地球温暖化防止を目的としたバイオディーゼル製造に関するアジア国際間研究」
・奨学寄付金 ダイセル化学工業株式会社(代表) 2010年度「セルロース等の多糖類からの高吸水性材料等の機能性材料創生」
・奨学寄付金 永佐加工株式会社(代表) 2010年度「セルロース系材料の生分解性評価」
・中村奨励金 (代表) 2009年度 「環境調和型高吸水性樹脂に関する基礎研究」
・地域イノベーション創出総合支援事業 平成20年度「シーズ発掘試験」(科学技術振興機構)(代表) 2008年度「アオサ・ポリ乳酸系グリーンコンポジットの開発」
・福岡女子大学平成20年度研究奨励交付金(代表) 2008年度「博多湾和白干潟に大量発生するアオサの有効活用に関する研究-バイオプラスチックとの複合化-」
・共同研究 旭化成せんい株式会社 技術研究所(代表) 2006年度~2007年度「セルロースを原料とした新素材および誘導体の機能化と特性評価に関する研究」
・奨学寄付金 株式会社シグマーリサイクル技術研究所(代表) 2005年度「セルロースおよびその誘導体の機能化とその特性評価」
・福岡女子大学平成16年度研究奨励交付金(代表) 2004年度「古着の綿製品から生分解性を有する高吸水性樹脂を創出する研究」
・平成16年度北九州市中小企業技術開発振興助成金(板井築炉株式会社と共同申請) 2004年度「高品質竹酢液製造プロセスに関する研究」
受賞歴
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2009年07月 セルロース学会 平成20年度セルロース学会賞 「セルロースおよび関連多糖を基材とした環境順応型高吸水性樹脂に関する研究」
担当講義科目
学部
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
卒業研究 |
通年 |
2023年度 |
各自個別のテーマについて取り組む |
卒業研究演習 |
通年 |
2023年度 |
卒業研究を進める上で必要な文献などを扱う |
環境材料学 |
1Q |
2023年度 |
身の回りで用いられている材料に焦点を当て、どのような材料がどのような特徴を有しているかを解説する。 |
環境物質論および実習Ⅰ |
1Q |
2023年度 |
環境物質の今日的課題や卒業研究のテーマについてオムニバス形式で学ぶ。 |
有機化学 |
1Q |
2023年度 |
有機化学の基礎知識や代表的な化合物、反応について扱う。 |
高分子化学実験 |
2Q |
2023年度 |
高分子材料の合成方法や諸特性を体験的に学ぶ。 |
地球環境と人類の未来(国際文理学講究Ⅲ) |
2Q |
2023年度 |
化石燃料やプラスチックを通し、持続可能な社会の実現のために取るべき行動について講義をおこなう。 |
日本文化の科学的解析 |
2Q |
2023年度 |
日本文化の象徴ともいえる「紙」と「絹」の特質を科学的側面と文化的側面から探る。 |
文理統合科目Ⅲ |
2Q |
2023年度 |
化石燃料やプラスチックを通し、持続可能な社会の実現のために取るべき行動について講義をおこなう。 |
環境物質論および実習ⅡA |
3Q |
2023年度 |
環境物質を総括する講義およびその実習 |
機器分析学実験 |
3Q |
2023年度 |
環境分析や化学の各分野で利用される各種分析機器を用いて実験を行う |
環境科学演習 |
3Q |
2023年度 |
環境物質コースでの卒業研究に関する演習を行う。 |
環境有機化学 |
3Q |
2023年度 |
有機化学を発展的に扱う。 |
高分子化学 |
4Q |
2023年度 |
合成方法や反応速度論、分子の集合状態など、高分子を理解する上で必要不可欠な概念について学習する |
環境物質論および実習ⅡB |
4Q |
2023年度 |
環境物質を総括する講義およびその実習 |
大学院
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
生活材料化学特論 |
前期 |
2023年度 |
生活材料料としてセルロースに焦点を当て、各種特性、機能と共に環境に及ぼす影響について理解を深める |
人間環境科学特論 |
前期 |
2023年度 |
研究に取組む基本姿勢や方法論について学ぶ |
環境自然科学特別演習Ⅱ |
後期 |
2023年度 |
博士前期課程で行う研究分野に関する英語の論文を読んで内容を発表する |
人間環境科学特別演習 |
後期 |
2023年度 |
専門分野の異なる大学院生や教員と討論することにより、発表者および演習参加者の研究の深化を目指す |
専門職特別研修 |
通年 |
2023年度 |
国内の公的機関や民間研究施設等において専門領域に関連した就業体験を実施する |
学部
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
卒業研究 |
通年 |
2022年度 |
各自個別のテーマについて取り組む |
卒業研究演習 |
通年 |
2022年度 |
卒業研究を進める上で必要な文献などを扱う |
環境材料学 |
1Q |
2022年度 |
身の回りで用いられている材料に焦点を当て、どのような材料がどのような特徴を有しているかを解説する。 |
環境物質論および実習Ⅰ |
1Q |
2022年度 |
環境物質の今日的課題や卒業研究のテーマについてオムニバス形式で学ぶ。 |
高分子化学実験 |
2Q |
2022年度 |
高分子材料の合成方法や諸特性を体験的に学ぶ。 |
地球環境と人類の未来(国際文理学講究Ⅲ) |
2Q |
2022年度 |
化石燃料やプラスチックを通し、持続可能な社会の実現のために取るべき行動について講義をおこなう。 |
日本文化の科学的解析 |
2Q |
2022年度 |
日本文化の象徴ともいえる「紙」と「絹」の特質を科学的側面と文化的側面から探る。 |
環境物質論および実習ⅡA |
3Q |
2022年度 |
環境物質を総括する講義およびその実習 |
機器分析学実験 |
3Q |
2022年度 |
環境分析や化学の各分野で利用される各種分析機器を用いて実験を行う |
環境科学演習 |
3Q |
2022年度 |
環境物質コースでの卒業研究に関する演習を行う。 |
高分子化学 |
3Q |
2022年度 |
合成方法や反応速度論、分子の集合状態など、高分子を理解する上で必要不可欠な概念について学習する |
環境物質論および実習ⅡB |
4Q |
2022年度 |
環境物質を総括する講義およびその実習 |
大学院
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
生活材料化学特論 |
前期 |
2022年度 |
生活材料料としてセルロースに焦点を当て、各種特性、機能と共に環境に及ぼす影響について理解を深める |
人間環境科学特論 |
前期 |
2022年度 |
研究に取組む基本姿勢や方法論について学ぶ |
環境自然科学特別演習Ⅱ |
後期 |
2022年度 |
博士前期課程で行う研究分野に関する英語の論文を読んで内容を発表する |
人間環境科学特別演習 |
後期 |
2022年度 |
専門分野の異なる大学院生や教員と討論することにより、発表者および演習参加者の研究の深化を目指す |
専門職特別研修 |
通年 |
2022年度 |
国内の公的機関や民間研究施設等において専門領域に関連した就業体験を実施する |
学部
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
卒業研究 |
通年 |
2019年度 |
各自個別のテーマについて取り組む |
卒業研究演習 |
通年 |
2019年度 |
卒業研究を進める上で必要な文献などを扱う |
環境材料学 |
1Q |
2019年度 |
身の回りで用いられている材料に焦点を当て、どのような材料がどのような特徴を有しているかを解説する。 |
環境物質論および実習Ⅰ |
1Q |
2019年度 |
環境物質の今日的課題や卒業研究のテーマについてオムニバス形式で学ぶ。 |
高分子化学実験 |
2Q |
2019年度 |
高分子材料の合成方法や諸特性を体験的に学ぶ。 |
地球環境と人類の未来 |
2Q |
2019年度 |
人類と自然とのあるべき関係とは何かを考え、実現可能な人間社会の取るべき政策について講義をおこなう。 |
日本文化の科学的解析 |
2Q |
2019年度 |
日本文化の象徴ともいえる「紙」と「絹」の特質を科学的側面と文化的側面から探る。 |
環境物質論および実習ⅡA |
3Q |
2019年度 |
環境物質を総括する講義およびその実習 |
機器分析学実験 |
3Q |
2019年度 |
環境分析や化学の各分野で利用される各種分析機器を用いて実験を行う |
環境科学演習 |
3Q |
2019年度 |
環境物質コースでの卒業研究に関する演習を行う。 |
高分子化学 |
3Q |
2019年度 |
合成方法や反応速度論、分子の集合状態など、高分子を理解する上で必要不可欠な概念について学習する |
環境物質論および実習ⅡB |
4Q |
2019年度 |
環境物質を総括する講義およびその実習 |
大学院
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
生活材料化学特論 |
前期 |
2019年度 |
各種生活材料料に焦点を当て、各種特性、機能と共に環境に及ぼす影響について理解を深める |
人間環境科学特論 |
前期 |
2019年度 |
研究に取組む基本姿勢や方法論について学ぶ |
環境自然科学特別演習Ⅱ |
後期 |
2019年度 |
博士前期課程で行う研究分野に関する英語の論文を読んで内容を発表する |
人間環境科学特別演習 |
後期 |
2019年度 |
専門分野の異なる大学院生や教員と討論することにより、発表者および演習参加者の研究の深化を目指す |
専門職特別研修 |
通年 |
2019年度 |
国内の公的機関や民間研究施設等において専門領域に関連した就業体験を実施する |
活用可能な分野(社会への貢献等)
・高分子合成、機能性高分子材料に関する技術相談など。
・日常生活で接する各種の高分子材料(プラスチック、ゴムなど)の紹介やそれらが環境に及ぼす影響などについての教育・啓蒙活動の実施(小学生・中学生・高校生・社会人)。
研究者としてのニーズ
現在の研究内容を具体的に展開していただける企業や公的機関の方との結びつき
キーワード
生活材料, 高分子材料, 生分解性, 高吸水性, プラスチック, 環境調和
高校等への出前講義テーマ
・身のまわりのプラスチックについて(プラスチックの環境問題について、「リサイクル」と「脱石油」をキーワードに、わかりやすく解説します。)
・紙おむつを化学の目で観る(紙おむつは育児と介護の必需品であり、快適に使用できるための工夫がなされています。その中身をわかりやすく解説します。)