本の紹介

本の紹介


 3月3日に博多駅の新しい駅ビルJR博多シティが開業、12日に九州新幹線鹿児島ルートが全線開通します。みなさんも駅が解体・建設されている様子をテレビや新聞、あるいは実際に見たことがあるのではないでしょうか。
 ところで、福岡を代表する駅の名前がなぜ「博多駅」なのか疑問に思ったことはありませんか?これは福岡市が博多と福岡2つの地域を合わせて発足した市であり、駅がつくられた当時は博多という名前の方が全国的な知名度が高かったことに由来します。「福岡駅」を探すと、天神の「西鉄福岡(天神)駅」、富山県高岡市福岡町のJR「福岡駅」があります。
 福岡とは、博多とはどのような所なのか。今回は「福岡・博多」に関係する本を3冊紹介します。


 博多の魅力とは何か。本書では歴史、グルメ、人びと、祭りなどさまざまな角度から博多を分析しています。名古屋出身の著者による外から見た福岡は、まるで〈外国〉のようであり「強烈なカルチャーショックを受ける」(p.11) 都市だといいます。福岡は2千年以上昔からアジア大陸と交流していた歴史を持つ国際都市です。そのためうどんや饅頭など福岡が発祥とされるものには、アジアとの交流・貿易によってもたらされたものが多くあります。
  長年福岡で暮らしている人も最近福岡に来たという人も、ぜひ本書を読んでみてください。読み終わった後には今までとはちがう福岡が見えてくることでしょう。本書をガイドブックとして、福岡の食・文化・歴史などを訪ね歩いてみるのも楽しいかもしれません。


 みなさんは方言についてどのようなイメージを持っていますか?昔は「田舎っぽい恥ずかしい言葉」とされていたこともありますが、最近では方言がブームになっており、メールや日常会話に方言を取り入れる人がいるそうです。九州方言の中でも博多弁は、女性が使ってみたい方言ランキング2位に入っています(『月刊日本語』2011年2月号p.71)。
 さて、ここでクイズです。「リバテープ」とは何を指す言葉でしょうか。この言葉は九州の中でも福岡・熊本・大分・宮崎でしか使われていません。佐賀・長崎では「カットバン」と言われるこれ、正式名称を「救急絆創膏(ばんそうこう)」といいます。このように日用品の名前にも方言はあり、共通語と思いこんでいる気付きにくい方言はたくさんあります。
 本書を読みながら自分や家族、友人たちが使っている言葉を振り返ってみてはいかがでしょうか。


 北九州市で生まれ育った松本清張の作品には九州を舞台とした作品がいくつもあります。「点と線」もその一つであり、昭和30年代の香椎が事件の舞台となっています。何度も映像化されており、2007年にはビートたけしら豪華出演陣によるドラマ化が話題になりました。西鉄香椎駅やその周辺、香椎海岸などみなさんもよく知っている場所が登場していますが、現在の風景には当時の面影がほとんど残っていません。同じく本書に収められている「時間の習俗」では門司の和布刈神社や大宰府が登場しています。
 福岡を舞台、あるいはモデルとする作品はたくさんあります。文章で楽しむ以外にも、作中に登場した場所を実際に訪れてみたり、映像化された作品を鑑賞してみたりと楽しみ方は広がります。


 

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