産卵と採卵

カエルの産卵はホルモンによってコントロールされている。そのため、ホルモンを注射することによって、産卵を促すことが可能である。ただし、注入量と注射の時間設定、水温のコントロールなどをうまくやらないと、産卵しなかったり、産卵しても未受精卵が多かったりするので、常に、最良の条件をもとめて、試行錯誤が必要である。以下に当研究室で現在比較的うまくいっているやりかたを示す。水温条件は約20℃。

A 注射用ホルモン溶液

  1. 0.6% NaCl 水溶液を100ml作り、オートクレーブで滅菌しておく。
  2. ゴナトロピン(胎盤性性腺刺激ホルモン 帝国臓器)を0.6% NaCl水溶液で溶かして、1000unit/mlのホルモン溶液をつくる。(15ml の滅菌済プラスチックチューブを使って10ml作っておくとよい。)
  3. 0.5〜1mlずつ滅菌済のエッペンチューブに分注し、冷凍庫で保存する。

B ホルモン注射による排卵誘発

  1. 産卵させる予定日の二日前にオスに200〜250unit(200〜250μl)のホルモン溶液を注射しておく。
  2. 予定日の前日、水切かごに一晩以上くみおいた水道水をいれ、0.15%程度の濃度になるように食塩を入れる。(当研究室では約6lのくみおき水に対して、10gの食塩を溶かしておく。)
  3. オスに250〜350unitメスに400〜700unitのホルモン溶液を注射する。
  4. 水切かごのふたをして、逃げ出さないように端をクリップで止める。
  5. 遮光ペイントした大きめのふたをかぶせて暗くしてやる。
  6. 翌日採卵する。

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