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2020.04.13お知らせ
梶山理事長・学長 入学式式辞
※大学会館での式典が行われた場合、梶山理事長・学長が述べる予定だった式辞を掲載します。



令和二年度 福岡女子大学第七十一回入学式及び大学院第二十八回入学式 式辞
 
 福岡女子大学に合格された皆さんの満足感と達成感の漂う中で、輝かしい入学式の雰囲気を私は直に感じています。「国際感覚を備えた女性リーダーの育成」を大学の教育理念とする福岡女子大学の一員になられた学部学生二四六名、大学院学生十六名の皆さんを、心より歓迎致します。また、公務ご多用にもかかわらず、入学式にご臨席賜りましたご来賓の方々に福岡女子大学を代表し、厚く御礼申し上げます。
 
 ここで、皆さんが入学された福岡女子大学の歴史を説明しましょう。福岡女子大学は、1923年(大正十二年)に福岡県立女子専門学校として設立されました。日本で最初の公立女子専門学校です。女子専門学校の伝統は、1950年に県立福岡女子大学に引き継がれ、学部・大学院組織を充実させながら、平成十八年に「県立福岡女子大学」から「公立大学法人 福岡女子大学」へと変遷してきました。福岡女子大学は2011年4月より「国際感覚を備えた女性リーダーの育成」という教育理念に焦点を絞った大学となりました。福岡女子大学は、1923年(大正十二年)の福岡県立女子専門学校以来、2023年で創立100周年を迎えます。日本で最も古い公立女子大学です。卒業生数は県立女子専門学校の開学以来、13850余名に及び、社会的に活躍しておられる多くの人材を輩出してきました。福岡女子大学は、2011年度より大幅な教育改革を行い、近年、著しい進展を遂げてきました。その結果、国内にある約80校の女子大学のうち、2019年度の女子大ランキングに、福岡女子大学を含む国公私1校ずつが1~3位にランキングされています。教育分野で改革の目覚ましい福岡女子大学の一員となったことに誇りを持ち、勉学、研究、地域・社会貢献、国際活動に励んで下さい。
 
 次に、福岡女子大学の最近の進展・発展状況を説明しましょう。2011年度から始まった新しい教育制度は、2015年度から大学院博士前期に、後期課程を加え、日本の一流女子大学の一員になりました。入学して4年間で約75%が外国での勉強を体験します。精神文化の醸成のための福女大美術館の新設とそれを使った、2018年から「感性授業」をスタートしました。体験学習の充実等、福岡女子大学は教育の質である、「創造力」と「感性力」で目覚しい進化を遂げています。また、福岡女子大学は2018年より、全学一斉クォーター制になっています。全学一斉のクォーター制自体が、福岡女子大学の「ユニーク」です。福岡女子大学では、このクォーター制を活用して、授業理解度の深化を提案しています。授業理解度深化法は、オリエンテーションで説明します。
 
 それでは皆さんが学部四年間で勉強する福岡女子大学の教育について説明しましょう。福岡女子大学は、2011年4月より従来の教育組織を一新し、国際文理学部に国際教養学科、環境科学科、食・健康学科から構成された一学部三学科の新生福岡女子大学に生まれ変わりました。国際文理学部の教育の理念や育成すべき学生像、さらに、躾・礼儀を含む社会行動模範については、この入学式の後に計画されているオリエンテーションで徹底的に指導します。これから始まる授業、授業時間外教育指導、体験・インターンシップ授業、さらにサークル活動、地域・社会活動、国際活動等の教育指導を通じて、福岡女子大学の基本理念である「次代の女性リーダーを育成」を新入生の皆さんが理解するように、教職員は徹底した指導を行っていきます。福岡女子大学は、2023年に100周年を迎え、この機会に2つのセンター「女性リーダーシップセンター」と「国際フードスタディセンター」を設立します。縦に従来の学部3学科を教育軸とし、横に2つのセンターを研究軸にして交叉させ、文理統合教育を徹底させます。文理統合教育についても、オリエンテーションでその内容を徹底指導します。
 
 福岡女子大学の一年生は、日本人の学生は一年間、留学生は四年間、「国際学友寮なでしこ」で共同生活することになります。すでに皆さんは寮生活をスタートしていますが、寮は様々な、異なった考えを持った学生の生活の場ですから、皆さんには、多くの新しい体験が待っていますし、それを克明するのも教育の場でもあります。教育の効果を上げるために、月曜日はアルバイト禁止としており、自己啓発教育日となっております。寮では、毎日の朝の時間を利用した1時間のイングリッシュ・タイムと、月曜日は24時間のイングリッシュ・デイが設けられており、国際化に慣れるための生活を行っています。この躾時間は、学生が模範的に行動すべきもので、実行の有無は大学でチェックしません。大学での行動は、学生自分自身が行うもので、大学が強制することはありません。イングリッシュ・タイムやイングリッシュ・デイは、学生自身で行うもので、社会人の一員となった皆さんは、社会の約束をきちんと実行していくべきです。日本人学生は外国人留学生と盛んに交流し、「国際的多様性」を身に付けてほしいと思います。1年後に寮生活で身に付くことがあまりなかったという言い訳は聞きたくありません。より良い生活の実現は、皆さんの努力で解決して下さい。
 
 皆さんがこれから福岡女子大学で受ける教育は、受け身でかつ他人から強制される勉強であってはなりません。大学教育には、新しい知識の蓄積、新事実の発見、さらに自分の考えを展開できるという期待と感動がありますが、決して易しく、楽しいことばかりではありません。学問、研究は、専門的で深く追求すればする程、苦しさが増してきます。
 
 抵抗なく何事にも飛び込んで行き、失敗が許されるのは若い時しかありません。新入生の皆さんは、若者の特権を持てる若い日々があっという間に過ぎることを自覚して、一日一日を有効に、学生生活が実り多く、有意義となる様心掛けて下さい。近年、教育・国際分野で改革の目覚ましい福岡女子大学の学生という誇りを持ち、何事にも自分の意見を持ち、積極的、建設的な行動の取れる成熟した社会人に成長することを願って、式辞と致します。
 
「社会での行動は、自分自身で行い、責任を取る人間になろう」
 
  令和二年四月
 
公立大学法人福岡女子大学
理事長・学長 梶山 千里

 
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