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2018.03.22お知らせ
梶山理事長・学長 卒業式式辞
平成二十九年度 福岡女子大学第六十五回卒業証書・学位記 及び大学院第二十四回学位記授与式 式辞
 
 福岡女子大学を巣立つ皆さんの満足感と達成感を、この荘厳な卒業式の中で私は直に感じています。平成二十九年度 学部卒業生および大学院修了生の皆さん、御卒業おめでとうございます。「次代の女性リーダー育成」を建学の精神とし、「女性が高い志と柔軟な発想をもち、世界を舞台に活躍できる社会を目指す」を大学の使命とする福岡女子大学を巣立つ学部学生二四〇名、大学院生修士課程二十二名の皆さんと、ご家族のかたがたに心よりお慶び申し上げます。また、公務御多用にもかかわらず、卒業式・修了式にご臨席賜りました福岡県 副知事 大曲 昭恵様、福岡県議会 文教委員会 副委員長 大田 満様、福岡県議会 文教委員会委員 仁戸田 元氣様代理の仁戸田 章一様、福岡県議会議員 長 裕海様、福岡女子大学 同窓会 筑紫海会 会長  矢野 芙美子様をはじめ、御来賓の方々に、福岡女子大学を代表して厚く御礼申し上げます。また、式前に記念演奏をしていただいた九州大学フィルハーモニー・オーケストラの皆さん、学位記授与式を盛り上げる演奏、有難うございました。
 
 まず、出席しておられる学生の皆さんにお尋ねします。福岡女子大学で何を学びましたか。入学した時に自ら定めた目標を達成することが出来ましたか。
 
 次にこれから社会で新しい生活をスタートさせるにあたり、皆さんが学んだ福岡女子大学の現状を知って、巣立って欲しいと思います。キャンパス再整備をはじめとする、福岡県支援の福岡女子大学のダイナミックな外見的変貌は、新しいキャンパスで教育を受け、生活した皆さんであれば、その恩恵を直に感じることが出来たと確信しています。二〇一一年に始まったキャンパス再整備は、二〇一七年の本部棟完成で終了しました。今、グランド等の再整備の最終段階に入っています。キャンパスの再整備は、眼に見える変化であり、皆さんは学部学生として四年間、大学院生は更に二年間、あるいは五年間と、刻々と変化するキャンパス再編成に感動されたことと思います。開放的な空間が広がる、設備の整った図書館は、福岡女子大学美術館として多くの美術品を所蔵しており、素晴らしい環境の中で学生生活を送ることが出来たということに、感謝の念を抱いて欲しいと思います。日本の良さで最後に残るものは「他人への感謝と心遣い」です。外国には少ない精神文化として、そして福岡女子大学ユニーク」として、皆さん一人一人が心の中に留めてください。「感性」の授業は二〇一八年度第三クォーターから正式に開講となり、学生・教職員の精神文化の醸成という形で実を結びます。
 
 次に、皆さんが直接目にすることはなかったかもしれませんが、キャンパスの再整備以外でも多くの変化がありました。教職員の努力で二〇二三年の創立百周年と、それを越えた教育・研究のための将来構想を確定することができました。そして、皆さんが外国での体験学習等、国際活動を行うことが出来るように、教職員の努力で日本学生支援機構から多額な財政的支援を受けることが可能になりました。入学試験一つとっても福岡女子大学は「地方区」から「全国区」に変化し、大学の質である「大学力」と「教育力」を短期間で著しく向上させることが出来ました。世界大学ランキングで最も信頼の於けるThe Times Higher Educationの日本大学ランキングでは、最近の福岡女子大学の飛躍が大きく取り上げられました。日本には、国公私の大学が約八〇〇校があります。The Times Higher Educationの二〇一七年度の大学ランキングは、「教育と国際性」が主な評価内容であり、福岡女子大学は、国内の全大学で四十八位、福岡県内の大学では三位、全国の国公私立の女子大学では全国二位と、福岡女子大学創立以来の大躍進を遂げました。このような大学で勉強をすることが出来た皆さんは、非常に幸せであったと、誇りにして頂きたいと思います。 
 
 大学を巣立つ皆さんにもう一度、お尋ねします。皆さんは四年間の学部学生、あるいは大学院生として、福岡女子大学で何を身につけ、心の中に何を培うことが出来ましたか。人を傷つけないことが「感性」の始まりであり、人間として良いことを考え実行することが倫理・哲学の始まりです。大学教育では、複雑な内容を簡略化し、学生に消化吸収させることが大学授業の役目ですが、一方、学生の皆さんは、人間として自分自身を磨き、模範となる人間になることを大学で学ぶことが最も重要なことです。福岡女子大学では「創造型デザイン教育」、「多様性に基づく許容教育」、「自己啓発教育」を「女子大ユニーク」として皆さんに提供しましたが、身についていますか。もう少し時間が有れば身につけることが出来たという学生は、社会に出て人間力を身につけることも可能です。自分自身で人間力を形成して下さい。
 
 さらに、福岡女子大学で学んだ「チーム作りやデザイン思考、独創性・創造性等の「リーダー」になるための道具を駆使して、社会で「トップリーダー」となり、日本を先導してください。「トップリーダー」となるためには、リーダーとなるための道具以外に感性や志・心構えを身につけることが不可欠ですが、これらは他人から学ぶことではありません。必死になって自分自身で身につけてください。
 
 輝かしい伝統を持つ福岡女子大学で学び、身に付けた能力や経験を発揮し、後に続く後輩たちへの善き道標となるよう、卒業生の皆さんは社会で活躍し、大学・社会へ恩返しをしてください。そのためには、心身ともに健康であることは不可欠です。苦難と共に希望が待つ社会で活躍されることを願って、学位記授与式の式辞と致します。
 
 
 
「大学教育で学んだことを実践へ」
 
 
 
平成三十年三月二十二日  
福岡女子大学 理事長・学長
梶山千里