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2017.04.03お知らせ
梶山理事長・学長 入学式式辞
平成二十九年度 福岡女子大学第六十八回入学式 及び大学院第二十五回入学式 式辞 
 
 福岡女子大学に合格された皆さんの満足感と達成感の漂う中で、輝かしい入学式の雰囲気を私は直に感じています。「リーダーシップを持ち、国際的に活躍できる人材育成」を大学の理念とする福岡女子大学の一員になられた学部学生二三九名、大学院学生二十三名の皆さんを、心より歓迎致します。また、公務ご多用にもかかわらず、入学式にご臨席賜りました福岡県副知事 大曲 昭恵様をはじめ、ご来賓の方々に福岡女子大学を代表し、厚く御礼申し上げます。また、本年度の入学式に、皆さん達の激励のため、先輩の方々に御出席をいただいております。本年度は、福岡女子大学第五回、十四回卒業の方々六名です。
 
 本日、学生の皆さんが晴れの入学式に出席しておられるのも、入学試験という過酷な競争を突破された皆さん自身の努力によるのは間違いありませんが、今日まで物心両面から皆さんを温かく支えていただいたご家族のご恩を忘れてはなりません。また、小学校から今日まで、勉学という面からだけでなく、心の成長も支えていただいた学校の先生、楽しいにつけ悲しいにつけ相談相手となってくれた友人達にも、感謝を忘れてはなりません。皆さんは若いが故に何事も自分で出来ると思うのは良いことですが、皆さんの現在の晴れ姿は、周りの多くの方々の経済面、教育面、あるいは精神面からの、計り知れない程の多くの支援によるものです。
 
 ここで、皆さんが入学された福岡女子大学の歴史を説明しましょう。福岡女子大学は、1923年(大正十二年)に福岡県立女子専門学校として設立されました。日本で最初の公立女子専門学校です。女子専門学校の伝統は、1950年に県立福岡女子大学に引き継がれ、学部・大学院組織を充実させながら、平成十八年に「県立福岡女子大学」から「公立大学法人 福岡女子大学」へと変遷してきました。福岡女子大学は平成二十三年四月より「リーダーシップを持ち、国際的に活躍できる人材育成」という教育理念に焦点を絞った大学となりました。福岡女子大学は、1923年(大正十二年)の県立女子専門学校創立以来、九十四年となり、日本で最も古い公立女子大学です。卒業生数は県立女子専門学校の開学以来、一一九八〇余名におよび、社会的に活躍しておられる多くの人材を輩出してきました。皆さんは、その伝統ある福岡女子大学の一員となったことに誇りを持ち、勉学、研究、地域・社会貢献、国際活動に励んで下さい。
 
 次に、福岡女子大学の最近の進展・発展状況を説明しましょう。平成二十三年度から始まった新しい教育制度は、平成二十七年度には国際文理学部として、新しい教育組織が完成しました。本年度からは、大学院博士後期課程が新たにスタートしました。これで福岡女子大学は学部から博士前期(修士)課程と後期(博士)課程が完成し、大学と大学院での高等教育を行うことができる大学になりました。ここ数年の福岡女子大学の進展は目覚しいものがあります。例えば、ここ数年で入試合格基準の偏差値が高くなり、皆さんはその難関を突破して入学されました。一年生の間に約70%が参加する外国での勉強、女子大美術館の新設とそれを使った「感性学習」のスタート、キャンパス再整備等、福岡女子大学は教育の質である、「大学力」と「知名度」で目覚しい進化を遂げています。2023年には福岡女子専門学校創立以来百周年を迎えます。
 
 それでは皆さんが学部四年間で勉強する福岡女子大学の教育について説明しましょう。福岡女子大学は、平成二十三年四月より従来の教育組織を一新し、国際文理学部に国際教養学科、環境科学科、食・健康学科から構成された一学部三学科の新生福岡女子大学に生まれ変わりました。国際文理学部の教育の理念や育成すべき学生像については、皆さんは様々な情報手段を通じて既に理解しておられると思います。これから始まる授業、授業時間外教育指導、体験・インターンシップ授業、さらにサークル活動、地域・社会活動、国際活動等の教育指導を通じて、福岡女子大学の建学の精神である「次代の女性リーダーを育成」と、教育理念を新入生の皆さんが理解するように、教職員は徹底した指導を行っていきます。
 
 福岡女子大学の一年生は、日本人の学生の場合は寮で一年間、留学生は四年間、「国際学友寮なでしこ」で共同生活することになりますが、すでに皆さんは寮生活をスタートしています。寮は生活の場だけでなく、教育の場でもあります。教育の場としての効果を上げるために、月曜日はアルバイト禁止としており、自己啓発教育日となっております。寮では、毎日の朝の時間を利用した一時間のイングリッシュ・タイムと、月曜日は24時間のイングリッシュ・デイが設けられており、国際化に慣れるための生活を行っています。日本人学生は外国人留学生と盛んに交流し、「国際的多様性」を身に付けてほしいと思います。春学期が始まると、すぐに英語漬けの勉強が始まります。受講する授業は楽ではありませんが、しっかりとすべてが身につくよう学んでください。
 
 少人数教育による日本語・英語コミュニケーション術の向上や、自分で課題を見つけ自分で問題を解決する創造型デザイン科目など、教職員の努力により、カリキュラムに色々な仕掛けと工夫がなされています。今年度からは、授業の一回目、もしくは二回目までに、教員と学生が徹底的に討論する場を設けています。即ち「この授業で学ぶべきことや学んで欲しいこと、この授業を受けると将来どのように役立つのか、また、役立てるべきなのか」等の討論を行い、授業に対する心構えと姿勢を確認します。授業で何を学ぶのか、何を理解し、何に役立てるべきかを皆さんが理解した後に授業がスタートします。
 
 今年度より、国際文理学部の名に相応しい、文理統合教育を徹底して行います。文理統合の授業を受けることにより、今まで知らなかった新しい分野の発見が次々に行われ、感動する経験が増してきます。この感動と教育の新しい分野の開拓こそが、教育のイノベーション、即ち自分自身の教育改革へと繋がるのです。また、今年より「感性」に関する授業も開始します。ワクワクする内容の授業に期待してください。
 
 皆さんがこれから福岡女子大学で受ける教育は、受け身でかつ他人から強制される勉強であってはなりません。大学教育には、新しい知識の蓄積、新事実の発見、さらに自分の考えを展開できるという期待と感動がありますが、決して易しく、楽しいことばかりではありません。学問、研究は、専門的で深く追求すればする程、苦しさが増してきます。
 
 抵抗なく何事にも飛び込んで行き、失敗が許され るのは若い時しかありません。新入生の皆さんは、 若者の特権を持てる若い日々があっという間に過ぎ ることを自覚して、一日一日を有効に、学生生活が 実り多く、有意義となる様心掛けて下さい。福岡女子大学の学生という誇りを持ち、何事にも自分の意 見を持ち、積極的、建設的な行動の取れる成熟した 社会人に成長することを願って、式辞と致します。
 
「大学で何を学ぶべきか、自分で考えよ」 
 
平成二十九年四月三日    
公立大学法人福岡女子大学
理事長・学長 梶山 千里