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2024.05.29プレスリリース
【研究】社員食堂の食事が健康に与える影響を調査(食・健康学科 佐久間理英 准教授)
 社員食堂での実際の食事摂取量と従業員の心血管リスク要因との関連を評価した研究成果を発表しました。
 本研究は、金城学院大学、福岡女子大学、浜松医科大学、カゴメ株式会社、トヨタ自動車株式会社との共同研究で、従業員の健康維持において社員食堂での食事管理の重要性を強調するデータです。

【研究の背景】
 持続可能な社会の基盤として、従業員の健康を確保することが重要です。社員食堂での食事管理は、従業員の健康と福祉に寄与する重要な要素とされています。国際労働機関(ILO)は、慢性疾患や肥満によるコストが大幅に増加していることから、職場での健康的な食事の提供を推奨しています。
【研究の目的】
 本研究では、野菜と食塩の摂取量に焦点を当てて、自動車製造業の社員食堂での実際の食事摂取量と従業員の心血管リスク要因との関連を調査しました。
【研究方法】
 研究参加者は2019年7月から2020年9月の間に社員食堂を3回以上利用した1,140名です。食事データは、ICチップが埋め込まれた食器と従業員IDカードで精算されることで自動的・客観的に記録されました。さらに、定期健康診断データを使用して、参加者の身体測定値、血液検査結果、生活習慣および社会経済的要因を分析しました。
 
【主な結果】
 野菜摂取量が多く、食塩摂取量が少ないグループは、健康的な生活習慣を持ち、事務労働者と管理職が多く、労働時間と座位時間が長い傾向がありました。また、このグループでは1年後の健康診断で中性脂肪の減少が見られました。
【結論と提言】
 社員食堂での野菜の積極的な摂取と食塩の低減は、従業員の心血管関連の健康に対して有益である可能性が示されました。職場の健康促進戦略として、野菜を豊富に含み、食塩を控えた食事の提供を推進することが重要です。特に、そのような食を健康的な食事セットとして提供することが従業員の健康維持に寄与する可能性があります。
 
◆ 発表論文
SHIRAI Yoshiro, SAKUMA Masae, USHIDA Yusuke, IMOTO Takayuki, SUGA Keisuke, MATSUI Kunio, and NAKAMURA Mieko:
Characteristics of and changes in the cardiometabolic measures of Japanese workers grouped according to their vegetables and salt intake through workplace cafeteria meals. Public Health Nutrition (2024) https://doi.org/10.1017/S1368980024001162
◆ 謝辞
 この研究は、カゴメ株式会社、トヨタ自動車株式会社から研究助成を受けて実施しました。記して深く感謝申し上げます。

■研究者情報
福岡女子大学国際文理学部 食・健康学科
准教授 佐久間 理英
福岡女子大学研究者データベース:
http://www.fwu.ac.jp/teachersdatabase/detail/?masterid=160&gakkaid=203&gakubuid=20

<本件に関するお問い合わせ>
公立大学法人福岡女子大学 国際文理学部 食健康学科(担当:佐久間 理英)
TEL:092-692-3180 
WEB:http://www.fwu.ac.jp/
MAIL: m-sakuma★fwu.ac.jp(★を@に変えてください)
 
プレスリリース(PDF 433KB)