人類社会の規模が巨大になった今,地球の自然を大きな不変の環境とみなすことは不可能になりました.人類の営みが環境に大きな影響を及ぼすようになってきたのです.その影響は,さまざまなレベルに及んでおり,それらを個別のこととして切り分けることが難しい場面も多々出て来ます.一つ一つを分析して,それらに対して,明解なルールを見つけ出すだけでは,このような複雑なシステムの振舞は分かりません.個々の要素は簡単なルールに従うシステムでも要素が多数であるがゆえに複雑に絡み合って,そのルールからは,直接導くことのできない構造をつくります.このことを調べるには,今のところ,コンピュータによるシミュレーションに頼るしかありません.そこで,まずは,大規模な自然現象を説明するのに必要な現象をモデル化し,「カオス」や「複雑系」といった研究分野の手法や成果を用いて,コンピュータでその振舞を調べています.

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【本年度の研究室】
黒木 昌一 (助教授)
藤野 友和 (助手)
大学院生 0名
4年生 1名

【写真】
カオスやフラクタルの研究に大きな影響を与えたマンデルブロー集合の一例.物理学研究室では,様々なシミュレーションをLinux上でC言語によるプログラミングで行っています.