現代の環境問題は,経済活動に起因します.まず物を作り出す生産段階で環境負荷が発生し,次いでそれを使用消費する段階で負荷が発生し,最終的な廃棄の段階でも負荷が発生します.それらの負荷の総体が環境問題を引き起こしています.

  環境負荷は,環境汚染と環境破壊の2つに分けられます. 環境汚染は,人あるいは動植物に有害な物質の環境への排出によって起こります.環境破壊は,生産,消費(使用),廃棄の各段階で直接自然環境に変化を与えたり,各段階での環境への排出物(排気,排水)が自然界の処理能力(自己回復力)を上回るときに発生します.

 本研究室では,国の経済活動の総合統計資料の産業連関表を利用して,個々の製品のライフサイクルにおける環境負荷を算出し,環境への負荷が小さくなるように製品の選択,生産工程の改良の指標とすることを考えます.現在は,その前段として,各製品について主としてその生産時におけるCO2 排出量を理論的に計算する方式の研究をしています.今後は他の環境破壊物質についても,様々な製品の生産過程における排出量の研究を進めることを考えています.

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【本年度の研究室】
甲斐 裕 (教授)
藤野 友和 (助手)
大学院生 0名
4年生 2名