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フェーズ③-4 実践「視覚を超える。-対話を通したアート鑑賞-」 レポート1月8日(日)

2017年01月12日活動報告

受講生企画第二弾
視覚を超える。-対話を通したアート鑑賞- 
ギャラリ―コンパ@福岡女子大学
」開催しました!
 
1月8日(日)、年明け早々の三連休中日、
受講生による企画の第二弾が行われました。
 
「ギャラリーコンパ」とは、目が見える・
見えないという互いの世界を活かしあって、
一緒にアートをシェアするワークショップ。
視覚障害のある人とない人が対話を
通して共に美術作品を鑑賞しました。


ナビゲートしてくれるのは、松尾さちさん、
濱田庄司さん、石田陽介さんの3人。


約30名の参加者が、それぞれに視覚障害者
1,2名を含む6グループに分かれ、じっくりと
時間をかけて作品を前に語り合いました。

今回は、福岡女子大学美術館の260を超える
作品のうち、多目的スペースに展示されて
いる絵画作品を自由に鑑賞。



最初は、見える人が作品について「見えている
こと」を語るのですが、いろいろな人が語るうち、
自分には「見えていなかったこと」が見えてきます。



具体的に描かれていることだけでなく、季節、
時間、人が描かれている場合はその関係性
なども話題に。

車を囲む大小の人々が描かれた作品では、
見える人が語る内容から見えない人が
「団地に住む家族が一戸建てに引っ越す
ところかしら」と想像し物語が膨らみます。

見えない人にとっては、描かれている「モノ」
の様子を知るだけでなく、見える人がそれを
どんなふうに受け止めているのかを知ること
が楽しそうです。
 



さらに、今回は大学内に暗室を作り、
暗闇の中で彫刻作品を鑑賞する体験も
していただきました。



暗闇の中では、「見える/見えない」の関係
が逆転。見えない人が作品に触ってわかる
ことを語る様子に見える人が感嘆する場面も。

見える参加者の多くは暗闇で触った作品が
実際にはどんなものだったのか「正解が知り
たい」とじれったい様子でした。

でも、見えない人は常にその「正解」はわから
ない状態で普通に生活しています。

一体「正解」って何なんでしょうね?
 
作品鑑賞のあとは、カフェタイム。
ギャラリーコンパでは、鑑賞のあとに飲み物
(場合によってはお酒も。今回は甘酒や
コーヒーでした)を楽しみながら対話を
続けるところがミソ。


この時間が体験を深めることになるのです。

カフェタイム後のトークセッションで、
各グループで語り合った内容をうかがうと、
「先入観」と「共有」という2つのキーワードが
出てきました。


見える人が「これは○○山です」と説明すると、
見えない人は「○○山だという先入観をとって
鑑賞したい」と意識したとか。

また、複数の方が「美術館では1人で静かに
鑑賞しないといけないが、今日はみんなで
語り合えて楽しかった」と話されたのに対し、
美術館の作品は黙って鑑賞するもの、という
のも「先入観」では?という指摘も。


また、体験を「共有」できる楽しさを語る意見が
出た一方で、確かに何かを「共有」した感覚が
あるけれど、一体何を「共有」したのか?と
論議になったグループもあったようです。


 
神経を集中させての鑑賞、そして感じた
ことを言葉にしてシェアする体験に心地
よい疲れを感じた人もおられたようです
が、参加者にはここには書ききれない、
多様で豊かな感覚を持ち帰っていただけ
たのではないでしょうか? 

みなさま、お疲れ様でした!
 
*受講生による企画第三弾
「アートかきぞめ~みんなで梅光園に花を
咲かせよう~」が1/28(土)14:00~16:00、
福岡市中央区梅光園団地集会所で開催
されます。

ふるってご参加ください!




 
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