宗像 壽子 
人間環境学部助教授
(専門分野)
給食経営管理学



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給食経営管理研究室 (人間環境学部 栄養健康科学科)

 平成14年に施行された栄養士法の改正により管理栄養士の業務内容が明確化し、管理栄養士養成課程専門分野のカリキュラムの中に給食経営管理論が教育内容として位置づけられた。本研究室が給食経営管理研究室として発足したのは2年前である。発足時は管理栄養士として業務につき、専門性を生かしたライフワークを確立したいという意欲的な学生5名と教育・研究に真摯に取組んでおられる助手の方との7名の構成であった。
  管理栄養士の活動分野は行政、学校・病院・介護老人保健施設、食品関連企業、教育・研究の場などである。特定給食施設においては給食の運営と適切な栄養管理ができる事が重要である。近年、給食を取り巻く環境、経済情勢は大きく変化し、給食運営の効率化、衛生管理の徹底、食事サービス者としての理念の構築と実践が求められるようになってきた。この中で給食のイノベーションとして新調理システムの導入が図られてきた。新年度の研究内容はこのシステムを導入しておられる病院給食における実態調査からの現状把握を行った。また食事療養に対応できる食形態を考慮した高齢者食は継続観察中である。

テーマT:新調理システムにおける食事サービスの検討クックチルシステムによる生産管理、調理管理、衛生管理、品質管理、経営管理の向上がトータルシステムとして効率良く運用され、食事サービスに適確に対応できているか、タイムスタディー調査、食事調査、嗜好調査、味の浸透度(調理品の塩分濃度)調査を行った。温度・時間管理、食事満足度の評価、減塩食対応等の重要性を認識することができ、施設への情報提供が行なえた。

テーマU:嚥下・咀嚼困難者用高齢者食の適応食の検討新調理システムの手法のひとつでもある、真空調理を利用した 高齢者向け嚥下・咀嚼困難者用ソフト食の開発をめざし、食材の種類、調味液の調整、調理時間・温度の調整によるメニュー作成を行った。また、この真空調理品をゼリー食へ加工したものが咀嚼・嚥下食として有効利用が図れるか、物性測定、嗜好調査を通して評価している。

 給食経営管理とは給食施設での対象者の食生活の改善を通じて、健康の保持・増進を図ることを目的とする業務であり、研究室の経験が実社会での対応の一助となるよう今後も現状に添った研究内容を検討していく予定である。


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