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福女生に聞く、私の研究ライフ☆

「福女生に聞く、わたしの研究ライフ☆」vol.9

2014/12/01

 冬本番!日も短くなり、イルミネーションも綺麗なこの時期、いかがお過ごしですか?
「福女生に聞く、わたしの研究ライフ☆」第9回。ぜひ、読んでください!


国文学専攻の今林美穂(いまばやしみほ)さんにインタビューをしました。

ではさっそくご紹介します!

                                        インタビュー日時:平成26年10月29日fine
                                        メインインタビュアー:女性研究者支援室 栗田(クリリン)bear
                                        サブインタビュアー・文章おこし:女性研究者支援室員 和田(いっこしゃん)seamoon_grad



大学・大学院について
  

支援室員 クリリン:所属は文学部国文学科の月野先生ですか。
今林さん:はい。所属は月野先生の研究室です。研究室では、漢詩・漢文の演習を行っています。私は近代文学の女流作家の研究をしていて、
別分野ではありますが、明治期には近世と同様に漢文の素養を持っている文学者が多く、漢文の視点を持つことが自身の研究においても
役立っています。
クリリン:そうなのですね。
いっこしゃん:すごいですね。詳しい内容は後の質問で詳しく伺っていきます。
 

クリリン:この大学を選んだきっかけを教えてください。
今林さん:国語の教員になろうと思っていました。私は、国語が好きだったので、高校の先生から「教員免許が取れるだけでなく、文学部として専門に扱っているところに進学するのが面白いのではないか」、とアドバイスをもらい進学しました。
 

クリリン:以前から、大学院への進学は考えていたのですか?
今林さん:4年時に、大学院に進学するか、就職するかどうか迷っていました。
文学部国文学科の矢野先生に相談したところ
さらに専門の勉強を続けたいのなら大学院に進学しておくのも1つの選択肢では、
とアドバイスを受けました。また当時、福岡女子大学で近代文学を教えていただいた先生にも、背中を押していただきました。
クリリン:色々な先生方にアドバイスをいただいたのですね。
今林さん:そうですね。進学や論文など、先生方には多くのアドバイスを頂きました。
福岡女子大学は学生の人数が少ないので、先生との距離がとても近く、研究の事や授業での質問、進路の事など、
気軽に研究室へ相談に行ける環境があります。
クリリン:先生との距離が近いのは、学生が少人数の大学ならではの魅力ですね。
 

クリリン:先に魅力を聞いてしまいましたが、他に大学・大学院の魅力はありますか?
今林さん:学部生の頃に一度、大学の自治会長をさせていただきました。教職員学生協議会に参加し、先生方、職員の方と意見交換が出来ました。経営に関して、学生の言葉が届きやすいというのも魅力ですし、私自身成長させていただきすごく良い機会を持てました。
クリリン:学生の頃から教職員と接すると、広い視野を持つことが出来そうですね!
 

クリリン:学内施設で魅力を感じることはありますか?
今林さん:図書館です。女性文学者の資料や女性キャリアの資料が他大学より豊富で研究しやすい環境です。女子大学ならではですね。
大学院に進学する際、志望動機でも伝えていましたが、資料の豊富さも決め手となりました。



研究について
  

クリリン: 研究テーマはなんですか?
今林さん: テーマは「明治20年代の女性文学者の恋愛観と結婚観」で、特に清水紫琴を中心に行っています。
 

クリリン:どのような研究をしているのですか?
今林さん:清水紫琴という女性文学者について、学部4年時に卒業論文の対象にしようと思い、取り組んでいました。
その時は、処女作にあたる「こわれ指環」という作品を扱っていました。この作品は彼女が考える明治の女性の結婚観、
女権思想が強く表れた作品で、読み解く段階で、さらに興味が広がりました。そこで、大学院では、「こわれ指環」を掲載していた
『女学雑誌』を中心に、女性文学者の恋愛観や結婚観を見ていこうと言うのが私の研究です。
クリリン:面白そうですね。「こわれ指環」は図書館などで借りることは出来ますか?
今林さん: 図書館に女性作家の小説を集めた本があります。「こわれ指環」自体が人気の作品なので読むことは可能です。
とても短い話で、数ページしかないですよ。
クリリン:数ページなら、読めそうですね。読んでみます!
 

クリリン:なぜ、その研究のテーマになったのですか?
今林さん:きっかけは、学部2年生の時の講義です。当時、近代文学の先生が講義で取り扱った作品の一つに「こわれ指環」がありました。
とにかくインパクトが強い作品でした。学部3年生から卒論に向けて、一番興味がある分野を考えはじめ、具体的な計画を立てていくのですが、
どの分野にするか迷った最後の最後で、学部2年の記憶がよみがえり、自身の研究テーマとして取り組もうと決めました。
クリリン:先生からの影響や、自分の好きな作品を研究テーマにしていくのですね。
 

クリリン:研究で行き詰る事はありますか?また解決方法を教えてください。
今林さん:行き詰ることはかなりあります。そういう時はひとりで考えて、視野が狭くなっている事が多いので、先生に相談したり、
今まで手を出していなかった研究書に手を伸ばしたりなどしています。
先ほど申し上げたように、先生との距離が近く自身の研究での行き詰りもはやい段階で相談できるのが女子大の強みです。
 いっこしゃん:本当にいい師弟関係なのですね。

 
クリリン:今後どのように研究を進めていきたいですか?
今林さん:修士論文の提出に向けて、執筆の佳境を迎えています。文学研究科 国文学専攻課程では伝統的に手書きで提出しています。
手書きのため時間がかかりますので、11月の終わりまでには下書きを完成させたいと考えています。
クリリン:すごいですね。手書きですか!


クリリン:学会発表の経験はありますか?
今林さん: はい。去年の7月に第58回 福岡女子大学国文学会大会という形で研究発表する機会がありました。
国文学科は長いことあった学科ですので、卒業生・OGの方の参加も多く、OGの方も発表をしていました。
 

クリリン:今後の進路などはどのように考えていますか?
今林さん:文系は修士の段階で、自分の専門分野を活かして就職活動をする事が難しい為、どういう就職を目指すのかは悩みました。
最初に、福岡で正規雇用として働きたいという思いがありましたので、教員を目指すのと並行して、地元への帰属意識の高い民間企業への
就職活動をしていました。
クリリン:就職は決まりましたか?
今林さん:はい。決まりました。
クリリンいっこしゃん:おめでとうございます!



キャンパスライフについて
  

クリリン:大学のお気に入りの場所はありますか?
今林さん:食べ物が好きで(笑)食べ物の匂いのする学食で勉強するのが好きです。本に匂いが移ると賛否両論あるかもしれませんが・・・。
クリリン:学食で勉強することがあるのですね。静かな所で勉強したいと思う時はないですか?
今林さん:院生になると、院生室があり、今は、英文学専攻の方と同じ院生室です。そこで個別のデスクをもらって勉強できる環境がありますが、
図書館の長机や学食の机など、人が大勢いるほうが集中出来る時があります。



プライベートについて
  

クリリン: 趣味を教えてください。
今林さん: 新聞の読者投稿欄に投稿するための文章を作ることや、本屋の絵本のコーナーに行き、本を探すのが好きです。
好きな本は作:あまんきみこ・絵:いわさきちひろの「おにたのぼうし」です。他に「ごんぎつね」などジーンとする話がすきです。
いっこしゃん:絵本は子供の物と思って読んだら、感動で泣いてしまう時があります。
 

クリリン:アルバイトはしていますか?
今林さん:はい。学部生の頃から、現在まで6年間働いています。
私が働いているところは、特殊かもしれませんが、例えば、1か月この時期は忙しくバイトに入れなくても、受け入れてくれる場所でした。
今のところ学業と両立できています。
クリリン:融通が利くところだったのですね。
今林さん:他にも、大学内でのアルバイトがあり、留学生の日本語支援や研究支援に関してのチューター制度があります。
留学生と交流できるのは女子大の新しい強みだと思いますので、その点ではチューター制度はとても良いと思います。
いっこしゃん:コミュニケーション能力や、国際的な面でも視野が広がりますね!
 

クリリン:ご家族から目標への応援などはありましたか?
今林さん:大学院を受ける際、親に説明をしました。
両親としては、最終的に就職活動と研究が両立できるのであれば、進学しても良いと了解を得ました。
週に何回かは料理をしていますが、その日以外の料理、毎日の家事の面で支援をしてもらっています。
後は生活費をかなり援助してもらっています。学費に関しては学部生の4年の間に支出できるぐらいのアルバイト代をためていました。
クリリン:料理もされているし、すごいですね!ご両親に研究の話はしますか。
今林さん:あまりしないですね。(笑)名前は「紫琴」だということは分かっています。
 

クリリン:お気に入りの癒しグッズを見せてください。
今林さん: 癒しになる物が何も思い浮かばなくて・・・。
気分転換になる物をと思ったら、キシリトールガムが常時院生室に置いてあるので、ガムは結構消費します。
                        



いっこしゃん:大学院で学業と精神面で身についたことを教えてください。
今林さん:大学院に進学し、論文を書くにあたって、自分の研究に対して、自信とプライドを持っていないと、論述がぶれてしまうことがあります。
論述がぶれないように、自信をつけるため、どう沢山の文献の中から、どれだけ根気強く調べ根拠をみつけてくるかというのは、継続する力として
身につきました。
いっこしゃん:すごいですね。
クリリン:いろんな情報が入ってくるから、1本の筋は本当に大切ですよね。
今林さん:私も筋がぶれることが結構あります。自分の研究に自信がなくてはなりませんが同時に独りよがりの研究になってもよくありません。
周りの人のアドバイスも並行して聞き、どのくらい自分の物として受け入れられるか、コミュニケーションをしながら想像していくことも必要になって
きます。
 


学部生のみなさんへひとこと!
  

クリリン:それでは最後に、大学院に進もうと考えている学部生のみなさんにひとことお願いします。
今林さん:この大学は学部・大学院ともに、先生方との距離が非常に近いです。大学院に入って、より実感しました。
研究に対して、ここまで親身に向き合ってくださる先生方と体制は他大学に負けない魅力だと思います。このような場を魅力として感じる方であれば、とてもいい研究環境だと思いますので、皆さんの入学を楽しみにしています。


今林さんに大切な本、おすすめの本をもってきてもらいました!




今林さん:上)これは私物です。
紫琴は作品自体が少なく本は「紫琴全集」全1巻です。すでに絶版となっており、研究のため手に入ったので、思い入れがある本です。
 
 
今林さん:下)こちらも私物です。第三書館の「ザ・龍之介」です。読みやすいように、ひらがなや読み仮名をつけてあります。
原稿どおりに記載してある全集と違い、本格的な研究には使えませんが全部読むのには便利です。値段がリーズナブルなので、これから文学研究をしようと思う学生には入りやすいと思います。他にもザ・作家シリーズで樋口一葉などあります。



 
 
今林さん!質問に丁寧に答えて頂き、ありがとうございました!
 
star「こわれ指環」について、私たちインタビュアーは、今林さんより、あらすじを聞かせてもらいましたが、話に引き込まれましたよ!皆様、是非とも図書館で読んでみてくださいね



「福女生に聞く、わたしの研究ライフ☆」~大学院ってどんなところ?~
 今林さんへの質問がありましたら下記のアドレスに質問をお送りください


 Mail: frsupport☆fwu.ac.jp
※(☆を@に変えて送信してください。)


送信の際は、“今林さんへ質問です”とご記入ください。
学部生の皆様!質問をお待ちしております!


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