大学院

人間環境科学研究科 博士前期課程 人間環境科学専攻

環境自然科学領域

 人間社会と相互に作用して生じる様々な自然環境における現象を把握し、自然及び社会の環境問題の評価、およびその評価のために必要な物質科学的および生命科学的な現象解明やその解決に向けた技術的な対策を考えることのできる人材育成を目的とした教育研究を行います。

  • (1) 自然環境における環境問題を調査して評価する知識・技術の習得
  • (2) 環境中の化学物質の特性を理解し、環境問題を引き起こしている原因を究明し、その問題解決に必要な知識・技術の習得
  • (3) 人の活動等に起因する環境変化が生命体の構造・機能や生態系にもたらす影響について分析して評価する知識・技術の習得

環境マネジメント領域

 持続可能な生活・社会環境の創生を目指し、人間の生活する社会環境の諸問題を扱うとともに、生活する人間と社会環境との相互作用(関係)を明らかにし、かつ、その社会環境が自然環境との調和を図りながら人間にとって合理的で快適なものとなるような生活・社会設計ができる人材育成を目的とした教育研究を行います。

  • (1) 人の生活様式と地域や国内外の社会環境・自然環境との相互作用について把握し、人の生活環境における諸問題を評価し、その解決に必要な知識・技術の習得
  • (2) 地域あるいは都市の社会環境における諸問題を把握し、環境調和型社会を目指した(空間・エネルギーなどに関連した)社会設計に必要な知識・技術の習得
  • (3) 統計学、政策学及び経済学の視点から人間環境の問題を把握・評価し、環境調和型社会を目指した社会政策や環境政策を提案するために必要な知識・技術の習得

栄養健康科学領域

 生活習慣病を予防・管理し健康な暮らしの実現を支援する食環境の整備を目指し、ライフスタイルの多様化に伴う様々な「食」と「健康」の諸問題を解決し、人の「健康」を維持する社会的環境を構築するために必須な基礎的、実践的知識および技術の習得を目的とした教育研究を行います。

  • (1) 栄養素の摂取不足あるいは過剰摂取に起因する様々な疾病、生活習慣病のリスク増大といった「食」に起因する「健康」の諸問題を栄養学および健康科学面から取り扱うとともに、その問題解決に必要な知識・技術の習得
  • (2) 人の「健康」を維持するためには、食の安全・安心の確保が必須であり、現代の食料に関する問題を評価し、その解決に必要な知識・技術の習得
  • (3) 自然あるいは社会環境の変化が人の健康に及ぼす影響を評価し、その対策に必要な知識・技術の習得
  • (4) 食の生産環境に影響を及ぼす「環境汚染」の現状や「国外の食料環境」に関する諸問題を、国際的な観点から把握し、その解決に必要な知識・技術の習得
  • (5) 管理栄養士免許保持者を対象とした高度専門職業人養成のための教育(臨床栄養師研修等)

アドミッション・ポリシー

 領域ごとのアドミッション・ポリシーは以下のとおりである。

環境自然科学領域

 「人間環境科学」が対象とする人(ヒト)をめぐる環境に関連した複雑で多岐にわたる現象を、自然科学を基に学際融合的に教育研究し、次世代を担う人材を養成することを目的としている。分子・細胞・個体やそれらを結びつけるエネルギーや物質循環といった自然環境について、物質科学と生命科学の角度から実験・理論の研究及び教育を行う。
 本領域では、特に自然科学分野に関心が深く、自らを高める向上心に満ち、かつ知的好奇心や創造性に富んだ人材を期待する。

環境マネジメント領域

 生活するヒトの生理、心理、行動の特性を明らかにし、ヒトと環境の相互作用について教育研究を行う。具体的には、都市・住居デザインの提案・設計、人間の心理・生理機能や行動様式の解析ならびにそれに基づく生活空間の設計、ユニバーサルデザインに基づいた都市・空間の評価と設計、環境変動に伴うヒトの行動様式などへの影響に関するデータ収集・分析などを行う。 各研究の主眼は、人間と環境の境界領域の本質を人間及び環境の視点から科学的・工学的に捉えた上で、我々の生活を向上させるための境界領域の改良方策を具体的に提案するところにある。
 本領域では、特に基礎となる自然科学系諸科目に習熟していること、生活環境と人間に関わる現実的諸問題に関心が高いこと、研究成果を具体的なデザインとして社会に提案・還元する意欲を有する学生を求める。

栄養健康科学領域

 栄養と健康に関する基礎研究から応用開発や臨床対応にいたる領域を対象とし、健全な食生活を構築するとともに、生活習慣病の成因や予防、食の安全性などの問題を解析、解決することを目的としている。そのため食と栄養に関する高度専門職業人として、臨床栄養師、食品企業の研究者や開発者、教育機関における教育者・研究者を育成する。学生には実験・調査等の研究活動に対し、積極的かつ主体的に取り組む姿勢を持つことを求める。
 本領域では、特に食と健康との関連性やその探究について特に高い関心を持ち、諸問題の成因や解決に向けた研究への取り組みや、その成果を社会に提案・還元する意欲を有する学生を求める。

<入学者選抜の基本方針>

・自己推薦選抜入試
 入学者の選抜は、面接のほか書類審査の結果等によって総合的に判断して行う。面接では、当該分野の研究に対する熱意、希望する研究計画の妥当性、当該分野の研究に必要とされる学力や技能およびコミュニケーション・表現能力を基に総合的に評価する。


・一般選抜入試・社会人選抜入試・外国人留学生選抜入試
 入学者の選抜は、筆記試験(専門科目、英語)・面接のほか書類審査の結果等によって総合的に判断して行う。筆記試験では、各分野において必要とされる専門的知識及び思考力、さらに研究を遂行する上で必要とされる語学能力及び表現力を評価する。面接では、当該分野の研究に対する熱意、希望する研究計画の妥当性、当該分野の研究に必要とされる学力や技能及びコミュニケーション・表現能力を基に総合的に評価する。



取得できる資格

教育職員免許状

 環境自然科学領域または栄養健康科学領域を修了し、所定の科目の単位を修得した者は、次の教育職員免許状を取得することができる。

領域名 免許状の種類 教科
環境自然科学 中学校教諭専修免許状
高等学校教諭専修免許状
理科
栄養健康科学 栄養教諭専修免許状