自然環境や生体内では,様々な性質あるいは機能を持った化学物質が存在しています. その中には,1分子だけの性質・機能ではなく,数十個から数百個の分子が集まった集合体の性質・機能が重要な役目を果たしている場合が多く存在します. たとえば,石けんなどの界面活性剤分子は球状に集合することによって油を水に溶かす働きをしたり,あるいは水と油の境界(界面)に集まって分子の膜を形成し界面の性質を変化させます. また,生体内で重要な働きをしている細胞膜は,リン脂質が平面状に2層に並んだ2分子膜の構造をしています. このような分子集合体について基礎研究を行なうことは,自然環境における分子集合体の特別な機能や薬物・汚染物質などが細胞組織に与える影響などの解明を手助けするだけでなく,新しい機能をもった物質を作りだすのに有用な知見・情報を与えます. >> 研究室紹介オリジナル版へ
【本年度の研究室】 池田 宜弘(教授) 田中 筆子 (助手) 4年生 4名
【写真】 表面に界面活性剤分子が集まってできる単分子膜や2分子膜(目で見ることはできません.)の状態を調べるために,表面張力を高精度で測定します.表面張力の測定法の一つに,ガラス管の先端に作られた液滴(写真)の形を分析し,求める方法があります.