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7月26日 第2回 実習演習 「企画を考えるワークショップ①」

2020年08月24日活動報告

  7月26日のアートマネジメント講座は、宮田 智史さんによる基礎講座に続いて実践演習②「企画を考えるワークショップ」を行いました。

 昨年度、「見えない」から始まるコミュニケーション「暗闇ねんどあそび」をグループで実施した山崎 博代さんをメンターに迎え、受講生グループによる企画の実現に向けての話し合いがいよいよスタート。進行役やホワイトボードに板書をする役に名乗り出る受講生も現れ、一人ひとりの意見を大切にしながら話し合う様子に、ここまでの基礎講座での学びが活かされていることを感じました。




 


 「アートで結ぶ・わかちあう 多様性が輝く場の創造を目指して」をテーマに実施している本年度のアートマネジメント人材育成講座。3年計画の多様性を認める社会の実現に文化芸術が果たす役割を推進する人材育成事業の集大成の年となります。
 新型コロナウイルス感染症拡大防止対応のため、例年よりも少ない6名の受講、遅れての講座開始となりましたが、それぞれ違った背景、個性を持ち、共に活動することで助け合いながら豊かな経験ができるのではないかという受講生が集まりました。
 
  このテーマでこの6人で何ができるか。話し合いは早速スタートしましたが、ここでもまず出てくるのは新型コロナウイルス感染症の問題。「受講生企画の実施を予定している11月から1月頃はどんな状況になっているだろうか…」。誰にもわからない、誰にも解決できない、だけど避けては通れないことが話題に上がりました。
 「ソーシャルディスタンス確保のためにどこの会場も定員よりもかなり少ない人数しか人を入れられない」、それぞれの知る現状を報告し合う中で、「この状況だから縮小してしかできなかったとネガティブになっては残念。この状況だからこそという付加価値をつけるということもできるのではないか」という声が上がり、他のメンバーも賛同しました。「会うことができない、触れ合うことができない」という誰もが障がいを抱えているとも言える現状。アートを通じてできることの答えを出したい、答えは出せなくても「こういう可能性もあるよ」というところを示したい。その思いに一同が頷きました。
 立ちはだかる大きな問題がきっかけをつくり、「今の自分たちにできること」を叶えるための話し合いが具体的に進んでいきます。


 
福祉施設で支援をする受講生、劇場や地域の施設で働く受講生、文化イベントを担当する受講生、地域の文化芸術活動に関わる受講生、それぞれの立場で考えられることを共有していきます。
 感染予防をしながらオフラインでできること、オンラインで届けられること、様々な可能性を模索しました。「どちらも組み合わせることができれば、それぞれの個性に合わせた参加ができるのでは」「ひとつの会場での定員は限られていても、会場と会場をつなぐといろんな地域の人、多くの人の参加が可能になるのでは」。一人の案にヒントを得て、また新たな案が生まれていきます。
誰もがいつもとは違う不自由で不安な生活をしている中、大きな制約があるはずであるのに、受講生たちの話し合いは前向きで希望を感じるものでした。いかに文化芸術と社会をつなげることが大切であるのか、このような状況だからこそより感じられました。
 もちろん、準備期間や予算、そして社会的な状況、様々な条件がある中、どこまで実現できるかはわかりませんが、「よりよい企画にしよう」「自分たちも楽しもう」そんな思いに溢れ、可能性に満ちた一歩を踏み出せたようです。

 次回の講座でのグループワークの時間まで、SNSでもやり取りをしながら、この日の話し合いで決めた方向性に合わせてそれぞれにアイデアを考えてくることを宿題にし、会場の候補のひとつである福岡女子大学美術館や屋上庭園を見学して、この日の講座は終了しました。







 最初の話し合いで、すでに多様なメンバーでチームとなって実践を行うときの可能性の広がりを見せた受講生グループ。今後の展開が楽しみです。
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