平成19年(2007年)度 英文学会報告

梅雨の晴れ間をぬっておこなわれた本年度の

福岡女子大学英文学会総会は無事終了しました。

日時:2007年6月30日(土) 13時30分より

会場:福岡女子大学 図書館 1 階 視聴覚 室

 

総会   13時30分〜14時15分

 

特別講演 14時30分〜16時00分

演題:「テクノロジーとファンタジー --- アメリカ小説の想像力」

講師:渡邉 真理子 氏

(福岡大学人文学部 外国語専任講師)

 

概要 南部出身の合衆国第3代大統領トマス・ジェファソンは、アメリカの未来像として、

農本主義に支えられた理想的共同体の形成を主張したが、この農業国の理想は、

南北戦争で「農業の南部」が「工業の北部」に敗北したことにより夢物語となった。

しかし、ピルグリム・ファーザーズが目指した<第二のエデン>アメリカに与えられた

楽園的イメージは、テクノロジーの発展を経ても完全に消滅することはなく、「テクノロジーを内包した楽園」

という奇妙な変遷を遂げながら、現代に至るまで数々の文学作品のなかで描かれてきた。

今回の講演では、このように牧歌性とテクノロジーが融合するアメリカ文学のファンタジー的想像力を、

ナサニエル・ホーソーンの短編からポストモダン小説までを辿りながら概観していただきました。

 

ゼミ生だった渡邉先生の講師紹介をされる馬塲先生。

                                           現在渡邉先生はアメリカ文学の学会では全国区で有名な方です。

 

お暑い中お越しいただいた5回生の方、ありがとうございました。

<学部生の感想>

まだアメリカ文学についての知識が少ないので少し難しかったが、ビデオを見ていて、

  日本人では表現することのできないアメリカ独特のユーモアを感じたのでとてもおもしろかった。

アメリカ文学について、とても細かいところまで目を配って研究されていた。昔のものから、

  ごく最近までの様々な本を読まれていてすごいと思った。SFの物語は私も好きです。

  社会のその当時の特徴とまじえながら本を分析なさっていた。

中学のときに見た「オズの魔法使い」での白黒からカラーにかわる場面など、印象的だなと思っていたところを

  渡辺先生が解説してくださったので、共感できる部分もありました。文学の奥深さを感じました。

OBの方もいらっしゃっていたので、女子大は歴史があるんだなと思いました。